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「錦繍」を読んで

先日、宮本輝さんの「錦繍」を読み終えた。
 別れた夫婦が、十年ぶりに紅葉鮮やかな蔵王のロープウェーの中で再会する。女は障害を抱えた子どもを連れ、男は顔も様子も「落ちぶれ果てた」というもの。

 元旦那が愛人と心中未遂をし、今の旦那は大学の教え子と浮気という、女性としての面目を失うような現実の中で、我が子の障害さえ疎ましく捉えている女の心情には、泥沼に深く呑まれ身動きがとれない歯がゆさを感じた。男はなんとか変わろうとして仕事を転々としたがうまくいかず、自分を卑下し続けてきた。

 この二人の手紙のやり取りを読むのがこの物語。結局、お互い、女は今の亭主を捨て、男は再起を決意して、引っ付くという湿った話かと思っていたら、いやはや。なんとも暗い懐古が続き、その中で、それぞれが秘めていた思いや互いが知らなかった出来事を吐露するに従って、お互いを深く知り合うにつれ、何故だか私はそれぞれの境遇にとても共感と愛着を感じるようになっていった。それは主人公二人においてもそうで、相手への共感と同時に、自分の直面する現実への愛着を取り戻していくようだった。
 とても不思議な感情の変化でいて、とても自然な感情の流れだった。男の死んだ愛人、主人公である元妻、現在の愛人、全ての人物が私にとっても悲しいくらい大切な存在に感じるようになり、切なさや、優しさ、無邪気さ、弱さ、激情、美しさ、朗らかさ、つつましさ、葛藤、矛盾、私の中の多くのものを象徴的に映し出した人たちに変わっていった。新しい自分を発見したとも言える広がりを感じた。

 こうやって感想を文章にしていくと、改めていい作品だと思う。決して派手ではないが、深く込んでくるものがある。

 さて、「レ・ミゼラブル」もやっと6巻に突入しました。なかなか進まないけど、読書は続けたいものです。もしよかったら「これだけは経験したほうがいい」「読んだほうがいい」「食べてみた方がいい」などなどのお勧めを教えて下さい。
それではまた。
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プロフィール

敏

Author:敏
1979年10月29日生まれ
o型 さそり座
佐賀県出身 横浜在住
◎好きな映画
・Dead Poet Society
・ラジオの時間

◎好きなアーティストor声
・Donny Hathaway
・Norah Jones
・UNICORN
・Herbie Hancock
・stevie wonder

◎好きな本
・レ・ミゼラブル(ビクトル・ユゴー)
・上杉鷹山(童門冬二)
・三国志(吉川英治)


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toshi_humstar@yahoo.co.jp

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